下宿人(1927年、イギリス) [MOVIE]
ヒッチコックの「下宿人」を見た。
ヒッチコックのサスペンス映画としては、これが最初の作品らしくて、
切り裂きジャックがモチーフになっている。
ヒッチコックは、自作へのカメオ出演で知られているらしく、新聞社と群衆シーンで、
既にこの作品でも、それが見られると書いてあったのだが、
古い映画で、画像がかなり粗いので、全く確認できなかった。
ストーリーとしても、無実の人が事件に巻き込まれるというのは、
ヒッチコック映画によくあるテーマなのだそうだ。
最初に言っておくが、ヒロインのデイジーが、可愛い。
サイレント映画だけど、字幕は必要な部分だけに絞ってあり、
他の部分は、想像で十分補えるようになっている。
二階にいる人物が歩き回るのを、床をガラス張りにして、下から覗く形で撮ってるとか、
その歩き回る様子が、階下のシャンデリアの揺れで表現してたり、
車の窓から、乗っている人間の頭部が人の目のように見えたり、表現が面白い。
最後の方だけちょっとだれたけど、コミカルな部分も多くて、
サスペンス要素はそんなに強くないのに、飽きずにとても面白かった。
最初の頃の下宿人は、チャーリーとチョコレート工場のジョニー・デップっぽい。
ヒッチコックの映画はパブリックドメインで、YouTubeでも見れるみたいなので貼っとく。
アンナ・カレニナ (1948年、イギリス) [MOVIE]
アンナ・カレニナを見た。
いくつか映画化されてるみたいだが、これはヴィヴィアン・リー主演のものである。
原作の小説を、ざっと読んでから見た。
小説で一番面白かったのは、リョーヴィンの考え方が変化していく部分だったが、
映画は、アンナとヴロンスキーの恋愛がストーリーの中心である。
だったら、他の部分はもっとばっさり切ってもいいと思うけど、
中途半端に、ダイジェスト版みたいになってる。
キチイとリョーヴィンの話とか、原作では結構感動的なんだけど、
映画では、かわいそうなくらい適当だ。
主役のヴィヴィアン・リーは美しい。
登場から、だんだん追いつめられていって、最後の場面まで、
こうなるしかないな、という感じを受ける演技だった。
逆に、他の登場人物はすっごい薄い。
多分これは、ヴィヴィアン・リーだけ見ればいいと思う。
そう思うと、見る価値はある。
細かいことだが、この映画はイギリス映画なので、会話はすべて英語である。
原作はロシアの上流階級が舞台で、ちょくちょくフランス語が出てくるけど、
そういう場面はなくて、あ、英語なんだなと見てて改めて思った。
「ブタがいた教室」と一緒に読みたい本と見たい映画 [MOVIE]
前に「ブタがいた教室」を見てから、読み直したいと思った本と見たい映画を挙げてみた。
"食うものが本当になくなった時、あたしは平気でポチを殺して食えるような奴になりたい"
吉本ばなな「TUGUMI」
「TUGUMI」は、命を食べるということをテーマにした小説じゃないしブタも出てこないが、
この部分が強烈に印象に残っていて、ブタがいた教室を見た後、最初に思い出した。
つぐみのこのセリフは、次のように続く。
中沢晶子「あしたは晴れた空の下で―ぼくたちのチェルノブイリ」
今だとチェルノブイリという点が注目されそうだけど、
ここで挙げたいのは、この本の中の「命ということ」という話だ。
ずっと絶版になってて、先月復活したらしいが入手できていないので、
エピソードもうろ覚えなんだけど、子供たちが、ソーセージ工場に見学に行く話である。
国語の教科書に載せられていたこともあるので、
「マドンナB」という単語を聞けば、ピンと来る人もいるのではないかと思う。
これは是非もう一回読みたいと思っている。
ほしよりこ「僕とポーク」
猫村さんのほしよりこの短編集である。
表題作は、ブタがいた教室と同じように、自分がブタを育てるという話だが、
描き方が全然違っていて面白い。
ブタがいた教室を見て、悩みすぎちゃった人とか読んでほしい。
森達也「いのちの食べ方」
これは、「よりみちパン!セ」っていうシリーズの中の本で、
下で紹介する映画の邦題の、元ネタにもなってるらしい。
ここで挙げた本の中で、これだけはまだ読んだことないのに紹介しました。
これ書いてて見つけて、読みたいと思った本。
「よりみちパン!セ」シリーズも先月復活したらしい。いいぞもっとやれ。
最後に、これも見ておきたいと思った映画が、「いのちの食べかた」である。
ブタがいた教室は、1頭のブタの命と真剣に向き合わざるをえない状況だけど、
これは大量生産大量消費社会での命の消費で、見た後の気持ちも結構違ってくるんじゃないか。
いのちの食べかた公式サイト
関連記事
ブタがいた教室(2008年、日本)
"食うものが本当になくなった時、あたしは平気でポチを殺して食えるような奴になりたい"
吉本ばなな「TUGUMI」
「TUGUMI」は、命を食べるということをテーマにした小説じゃないしブタも出てこないが、
この部分が強烈に印象に残っていて、ブタがいた教室を見た後、最初に思い出した。
つぐみのこのセリフは、次のように続く。
もちろん、あとでそっと泣いたり、みんなのためにありがとう、ごめんねと墓を作ってやったり、骨のひとかけらをペンダントにしてずっと持ってたり、そんな半端な奴のことじゃなくて、できることなら後悔も、良心の呵責もなく、本当に平然として「ポチはうまかった」と言って笑えるような奴になりたい
中沢晶子「あしたは晴れた空の下で―ぼくたちのチェルノブイリ」
今だとチェルノブイリという点が注目されそうだけど、
ここで挙げたいのは、この本の中の「命ということ」という話だ。
ずっと絶版になってて、先月復活したらしいが入手できていないので、
エピソードもうろ覚えなんだけど、子供たちが、ソーセージ工場に見学に行く話である。
国語の教科書に載せられていたこともあるので、
「マドンナB」という単語を聞けば、ピンと来る人もいるのではないかと思う。
これは是非もう一回読みたいと思っている。
ほしよりこ「僕とポーク」
猫村さんのほしよりこの短編集である。
表題作は、ブタがいた教室と同じように、自分がブタを育てるという話だが、
描き方が全然違っていて面白い。
ブタがいた教室を見て、悩みすぎちゃった人とか読んでほしい。
森達也「いのちの食べ方」
これは、「よりみちパン!セ」っていうシリーズの中の本で、
下で紹介する映画の邦題の、元ネタにもなってるらしい。
ここで挙げた本の中で、これだけはまだ読んだことないのに紹介しました。
これ書いてて見つけて、読みたいと思った本。
「よりみちパン!セ」シリーズも先月復活したらしい。いいぞもっとやれ。
最後に、これも見ておきたいと思った映画が、「いのちの食べかた」である。
ブタがいた教室は、1頭のブタの命と真剣に向き合わざるをえない状況だけど、
これは大量生産大量消費社会での命の消費で、見た後の気持ちも結構違ってくるんじゃないか。
いのちの食べかた公式サイト
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ブタがいた教室(2008年、日本)
打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?(1994、日本) [MOVIE]
題名は知っていたが、ずっと映画だと思っ ていた。
元々はオムニバス形式のテレビドラマの中の作品で、翌年、劇場公開されたらしい。
海辺の町で夏休みでプールで花火っていう、この季節に見たい要素がそろっている。
固有名詞とか
1億年前からっていう言い方、背中に扇風機の風、男子と女子の会話がぎこちなかったりとかは、
どの世代にも、思い当たる部分じゃないかと思う。
男子の会話もそうなんだけど、特に、主人公の演技がすごい自然である。
夏の夕方の感じとかがリアルなのもあると思うが、
途中、映画じゃなくそういう場面を、実際に目撃したような気にちょっとなった。
男子が女子に振り回されるのは、先月見た「海がきこえる」ともちょっと似てるけど、
これは小学生だから、そんなに自由に行動できないし、
女の子と約束するとひるんで、友達とばかやってる方が、気楽で楽しいと思ったりもしている。
夜のプールの場面は、設定的に、
見てるのが恥ずかしくなるような場面になってもおかしくないと思うが、
全然そんなことになってなくて、素直にきれいである。
恋愛っていうより、子供が楽しそうに遊んでる感じだからかな、と思いながら見ていた。
流れている音楽の効果もいいし、なずなの最後の台詞と、
泳いで行くのを立ち尽くしてみてる場面もすごくいい。
題名の花火については、ずっと音だけで見ることができないため、最後の最後にぐっとくる。
『打ち上げ花火、下から見るか? 横から見るか?』は、現在ウェブ上で無料公開されている。
公開期限は8月31日まで。
映画が始まる前に、監督からのメッセージが掲載されていて、それも是非読んでほしい。
※正にその世代のつむこさん(@tumuco26)に指摘してもらって修正しました。
「打ち上げ花火、下からみるか? 横からみるか?」Soundtrack
- アーティスト: REMEDIOS,REMEDIOS
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 1996/07/19
- メディア: CD
カルメン第四幕 [MOVIE]
第四幕(ACTE4)
あらすじ
場所はセビリアの街に戻り、闘牛士たちが入場する。
エスカミーリョと登場し一人その場に残ったカルメンの前に、ホセが姿を現し復縁を迫る。
カルメンは聞く耳を持たず、もらった指輪を投げつける。
激高したホセは、闘牛場からの歓声が響く中、カルメンを刺し殺す。
第四幕では、闘牛士たちの入場シーンがあるが、闘牛士には種類があるらしい。
トレアドール(toreador)……馬に乗った闘牛士。
ピカドール(picador)……馬に乗り、槍で牛を刺して弱らせたり怒らせる役の闘牛士。
バンデリリェロ(banderillero)……飾りのついた銛を牛に打ち込む役。
マタドール(matador)……牛に止めを刺す主役の闘牛士。
エスカミーリョはマタドールだから、闘牛士の花形だということが分かる。
一方カルメンの前に姿を現したホセは、「盗賊でもなんでもお前の望むものに」と懇願したり、
過去は忘れて、遠くで新しい人生を始めようと言い出したり、若干現実逃避気味な傾向もある。
そしてこれずっと気になってたんだけど、このホセは大事な場面で視線さまよいすぎである。
どこを見てるのか分からない。カンペあんの?
あらすじを中途半端に知ってた時は、カルメンがホセのために身を引いて、
心変わりと誤解されて殺されるとかなのかと思ってたんだけど、
この場面を見て、全然違うことが分かった。
カルメン本当に嫌そうである。
カーテンコールでは、ミカエラ役の人が、すごく深くお辞儀をしていて好感を持った。
ミカエラの人はほんといいな!
闘牛場からの歓声が響く中でカルメンが殺されるシーンなど、音楽の効果を実感できたし、
オペラ初めて見たけど、普通に面白かったから、他のも見たいと思っている。
あらすじ
場所はセビリアの街に戻り、闘牛士たちが入場する。
エスカミーリョと登場し一人その場に残ったカルメンの前に、ホセが姿を現し復縁を迫る。
カルメンは聞く耳を持たず、もらった指輪を投げつける。
激高したホセは、闘牛場からの歓声が響く中、カルメンを刺し殺す。
第四幕では、闘牛士たちの入場シーンがあるが、闘牛士には種類があるらしい。
トレアドール(toreador)……馬に乗った闘牛士。
ピカドール(picador)……馬に乗り、槍で牛を刺して弱らせたり怒らせる役の闘牛士。
バンデリリェロ(banderillero)……飾りのついた銛を牛に打ち込む役。
マタドール(matador)……牛に止めを刺す主役の闘牛士。
エスカミーリョはマタドールだから、闘牛士の花形だということが分かる。
一方カルメンの前に姿を現したホセは、「盗賊でもなんでもお前の望むものに」と懇願したり、
過去は忘れて、遠くで新しい人生を始めようと言い出したり、若干現実逃避気味な傾向もある。
そしてこれずっと気になってたんだけど、このホセは大事な場面で視線さまよいすぎである。
どこを見てるのか分からない。カンペあんの?
あらすじを中途半端に知ってた時は、カルメンがホセのために身を引いて、
心変わりと誤解されて殺されるとかなのかと思ってたんだけど、
この場面を見て、全然違うことが分かった。
カルメン本当に嫌そうである。
カーテンコールでは、ミカエラ役の人が、すごく深くお辞儀をしていて好感を持った。
ミカエラの人はほんといいな!
闘牛場からの歓声が響く中でカルメンが殺されるシーンなど、音楽の効果を実感できたし、
オペラ初めて見たけど、普通に面白かったから、他のも見たいと思っている。
ビゼー:歌劇≪カルメン≫ウィーン国立歌劇場1978年 [DVD]
- 出版社/メーカー: 日本コロムビア
- メディア: DVD