SSブログ

レイ・ブラッドベリ「華氏451度」 [BOOK]

"『ハムレット』を知っているという連中の知識にしたところで、例の、〈これ一冊で、あらゆる古典を読破したとおなじ。隣人との会話のため、必須の書物〉と称する重宝な書物につめこまれた1ページ・ダイジェスト版から仕入れたものだ"

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)

華氏451度 (ハヤカワ文庫SF)

  • 作者: レイ ブラッドベリ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2008/11
  • メディア: 文庫

レイ・ブラッドベリが好きだっていう人がいて、

短編がいいと薦められてたんだけど、前から気になってたこっちを先に読んでしまった。

この本の重要なキーワードである「焚書(ふんしょ)」とは、

学問や思想を弾圧するための手段として書物を焼却することで、

実際に、秦やナチス・ドイツ等での例がある。


SFだけど、現在の私たちの世界に非常に近い世界で、

冒頭で引用した部分など、現在のこととして読んでも、まったくおかしく感じないと思う。

考えることを避けて、その時間もなくし、行動もできない という状態を、

上からの統制ではなく、自分たちが選び取った形になっているのが鋭い。

どうしても自分に照らし合わせて読むが、ラストに希望が感じられる。

タグ:SF
トラックバック(0) 
共通テーマ:

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。